このエントリーは Product Owner Advent Calendar 2015 – Qiita の 12月15日分です。
昨日は @getsukikyu による「週刊新カゴ通信号外 〜10年続くサービスのコアを丸っと作りなおすプロジェクトチームの1日〜」でした。
私とチームについて
私: @hogemoge です。
「ハンドメイドマーケット minne(ミンネ)」で、アプリ開発チームのマネージャーをやっています。
▲AndroidアプリとiOSアプリを開発しています。
minneのアプリ開発チームは、
- iOS開発 4名
- Android開発 3名
- API開発 1名
- デザイナー 2名
- ディレクター 1名
- マネージャー 1名(私)
という12名体制でして、2週間スプリントのスクラム開発をしています。
スプリントの状況を確認するカンバンとしてホワイトボードを3枚利用していますが、このエントリーではチームのコミュニケーションを促進するツールとして「壁(物理的な方)」を紹介します。
壁です
これがアプリ開発チームの壁の様子です。
会議室を仕切るパーティションをチームの壁として使っています。
壁には、プロダクトのビジョンやペルソナ、バーンダウンチャートやプロジェクトの関連書類などが貼ってあります。
さらに開発メンバーがイベントで登壇した時の写真や、ワークショップでつくったクリスマスリースまで貼ってあるものは様々です。
▲クリスマスリースの様子です
貼る場所が足りなくなったので壁の裏側も使い、カスタマージャーニーマップ、サービスブループリント(でかい)といったものを貼っています。
▲サービスブループリントはA3サイズ36枚を貼りあわせた超大作です
ペルソナやカスタマージャーニーマップなどを作った方は多いと思いますが、作ったあとは社内の共有フォルダ等に保存したまま、といった方も多いのではないでしょうか?
作って以来見たことがない…といったことになりがちです。
壁の有効性については、書籍「ユーザーストーリーマッピング」にも書いてあります。
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壁に大きく見える情報があることによって、その部屋にいかに効果的な空気が発散されるかを指摘している。
(中略)
そこに集積された情報を指さし、新しい情報を加えることができる。
(中略)
「壁を情報ラジエターと呼ぶなら、ツールは情報冷凍庫だ」という人たちもいる。
〜ユーザーストーリーマッピング 8章 より引用〜
とあるように、進行中の案件やプロダクトの基盤となるドキュメントは、常に関係者の目にとまる場所に貼っておくことで、共有フォルダに置いておくよりもはるかに出番が増えます(ツールの情報冷凍庫は言い過ぎな感じもしますけど)。
壁はコミュニケーションを促進する
比較的大きめな機能開発をしている時にもチームの壁はよい仕事をしてくれました。
- 開発中の画面イメージや画面遷移図
- 仕様把握のためにエンジニアが作ったマインドマップ
- 用語集
などを貼りだしておくことにより、壁は開発チームのコミュニケーションを促進します。
例えば口頭で「◯◯画面の☓☓機能の■■ボタンの文言を、現状のAからBに変更してはどうか?」といったやりとりが行われるのをイメージしてください。
かなりの割合で認識のズレが発生するでしょう。
壁に貼り出された画面イメージのボタンを指さしながら話すことで「ここの文言なんですけど」と、主語(◯◯画面の☓☓機能の■■ボタン)を省略することができます。
この「主語を省略できる」というのが非常に効果的で、伝えるコストも理解するコストが低くなり、やりとりがスムーズになりました。
スプリントごとに振り返り(KPT)をやっているのですが、メンバーからも壁いいねという声が出たので、壁の有効性を感じているのは私だけではないようです。
ちなみに「比較的大きめな機能開発」と書いたのは、昨日(12/14)にリリースされた以下の内容です。
(壁の写真にも「ヤマト連携」と書いてありますね)
\作家のみなさま、お待たせしました!/ 本日よりminneでは、ヤマト運輸が提供する「宅急便コンパクト」と「ネコポス」を、全国一律料金でご利用いただけるようになりましたよ〜! https://t.co/nUtyRtYG9p pic.twitter.com/wPnnlMExpp
— minne (@minnecom) 2015, 12月 14
準備期間を含めると2ヶ月弱のプロジェクトでしたが、リスケもなく無事リリースに漕ぎ着けることができたのは、頼もしいメンバーとチームの壁のおかげかなーと感じています。
まとめ
チームの壁があると
- コミュニケーションが促進される
- 指差すものがあれば、主語を省略できる
- ペルソナやカスタマージャーニーマップなどのチームの基盤を作るドキュメントの出番が増える
ただし、貼りだす書類が更新されなければ意味がなくなってしまうので、壁のお手入れはPOやPMな人たちがやると良いかと思います。
ということで、チーム開発における「壁」の有効性を紹介しました。
「壁にはロッカーがずらりと並んでいる」というオフィスも多いと思いますが、もしチームの近くに壁があればぜひ有効活用してみてください。
一緒に働きましょうよ〜
minneではサービスの成長を支える仲間を各職種で募集中です。
ぜひ一緒に壁の手入れを!お気軽にご連絡ください。
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